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■JT将棋日本シリーズ(2010/11/23)■
びゃっきーは、「JT将棋日本シリーズ」を見に、東京体育館へ行きました。 「JT将棋日本シリーズ」には「こども大会」と「プロ公式戦」とあり、この日は「こども大会」の「東京大会」が午前中から行われて、夕方4時から「プロ公式戦」の決勝が行われました。 もちろん目当ては「プロ公式戦」の決勝。 まぁ、ざっくり言えば、昨年のプロトップ12人によるトーナメント戦で、全国各地で公開対局を行って、その決勝が「東京体育館」で行われるというものです。 プロの棋戦(将棋の公式試合)で、全局公開対局を行っているのは、この棋戦だけです。 他の棋戦は、インターネット中継やテレビ中継はあっても、どこかの部屋でひっそりと試合をしているのを映しているだけで、みんなの前で試合をすることはありません。 そんな意味でもとても貴重な棋戦なのです。 で、決勝は、みなさんご存知、まごうことなきトッププロ羽生善治名人と、みなさんおそらくご存知ない、12位ギリギリ参加の山崎隆之七段の間で行われることになりました。 そうです、山崎七段は、先日びゃっきーが将棋の指導をしていただいた方です。 もちろん山崎七段を応援するために行きました。
開場がやたら早いです。 こういうのは開場から少し遅れていくのが正解とオレの経験が語っています。 以前にダンスのコンテストを見に行ったとき、一般の部を見たかったのに、少し早めに行って子どもの部を見ていたら、一回全員外に出されて、再度入場させられることになりました。 そしたら、外に列が出来ててその最後尾に回されるというヒドイ目に。 あの時は気分が最悪でした。 ということで、開場から30分ぐらい遅れて、到着。 ちょうどオレが着いたぐらいのところで、整列入場が終わって、フリーで入場できるようになってました。 やはりこれは正しい選択でした。 と、会場に入ってみると、予想以上に会場がデカい! たかだか将棋のイベントと侮るなかれ! というか、オレが侮ってたんですけどね。 まだ始まるまで30分以上あるというのに、会場の前半分は完全に埋まってしまっている状態。 遅れてくるのはあまり正しい選択じゃなかったかも。 もっと小さな会場で、人もそんなにいないと思っていたのに。 これじゃよく見えません。 仕方なしに一番後ろの席でひっそりと観覧することにしました。
ここで少し、公開対局の舞台解説などを。 ステージの向かって左手に対局場所があります。 がっしりとした、木の将棋盤が置いてあります。 ムダに太いです。 プロの将棋ではこういう将棋盤が使われます。 ペラペラの将棋盤ではないのですよ。 で、その両側に青い座布団が敷いてあります。 座布団の横においてあるのは腕置きみたいなもの。 なんて言うんだろう。 そして腕置きの逆サイドにはペットボトルが並んでいます。 プロの対局は丸二日かけてやるものなんかもあって、飲み物やお菓子なんかを自分で用意して置いておいてよいのです。 この試合は短いので、必要ないのですが、JTの方が用意したんでしょう。 そして対局者の奥に、机があります。 「5 5」と書いてあるのは考慮時間。 それぞれ持ち時間が確か 5分(10分だったかも)で、5分使っちゃった後は1手を30秒以内に指さないといけません。 30秒というと結構ありそうですが、将棋をやっていると30秒じゃ全く足らんのです。 でもそれだと要所でヘンな手を指しちゃったりして、盛り上がりにかけるかもしれないから、5回だけ30秒を越えてもいいよ、という特別ルールが考慮時間。 1回につき、1分が足されます。 1回で5回分使ってもいいし、5回に分けて使ってもいいです。 さて、そのテーブルの向こうに何人か座ります。 ちょっと曖昧なんだけど、棋譜を書き取る人、時間を測る人、棋譜と時間を読み上げる人、だと思うんだよな、たぶん。 もっと重い対局だと立会人という将棋の高段の人が座ったりもしますが、この日はいませんでした。 で、向かって右にある大きな将棋盤は大盤と言います。 こういう大きな会場だともちろん将棋盤で何やってるのかわからないから、こういう大盤を使って解説を行うのです。 解説を行ってくれるのは、別のプロ棋士。 通常二人の掛け合いみたいな形で進みます。 この日の大盤はとてもデカいので、駒を動かすのに二人ほどお手伝いが来ていました。
たかだか将棋のイベントと侮るなかれ! というか、オレが侮ってたんですけどね。 小学生の部の参加者がなにやら、3,000人ぐらいいたそうで、そんなにも参加するもんなのか、とちょっと驚き。 低学年の部と高学年の部とに分かれているらしいのですが、まずは低学年の部から。 低学年の小学生がステージ上で対局を行います。 それをプロの棋士が解説を行います。 解説は島九段と清水女流六段。 清水さんは先日コンピュータ将棋と戦った人なので、ニュースとかでみた人もいるかもしれません。 こんな方々に解説してもらえるなんて、幸せな小学生だなー。 小学生二人の対局前インタビューが行われましたが、どっちの子もモジモジして、かなり不安な感じ。 が、始まってみれば、大層立派な将棋です。 可愛らしい将棋で、笑っちゃったりみたいなのを強く希望しますが、全くそんなことはありません。 ヘボなオレから見たら、プロと遜色のない将棋。 何か将棋の定跡の本を見るような、しっかりとした内容です。 小学生侮るなかれ。
さすがに高学年は背も高くなって……、ってあれ? 左の子は低学年の子とかわらないぐらいちっちゃい。 小学生の高学年なんて、ちっちゃい子はちっちゃいよね。 オレもちっちゃかったんで、気持ちはわかります。 大丈夫、高校で伸びるぞ! でも、さすが高学年。 自分が確立してきていて、インタビューにはハッキリ答えます。 将棋の内容は、低学年の部と、変わりませんわ。 というよりももう、全部スゴイね、としか思えないほど、ヘボレベルなんですわ、オレが。 プロの解説を聞きながら、ソレを鵜呑みにして、なんか理解した気になっているオレです。
山崎七段×羽生名人の一戦。 今までの対局ではほとんど羽生名人にボコボコにされている山崎七段ですが、今回は如何に。 山崎七段のプロフィールが紹介されて、なんか「軽快なフットワークな棋風」みたいな紹介がありました。 オレは「えー!?」って思いました。 見た目が爽やかなので、そんな紹介なんだと思いますが、オレの印象ではそんなイイもんじゃありません。 「サーカスの綱渡りのようななんか危なっかしい棋風」これが正解です。 いや、正解じゃなかった。 オレの印象です。 定跡無視で、かなり自分勝手な将棋を指します。 彼の将棋を見ていると、オレはいつも「あーこりゃ負けるな」と思います。 でも最後には勝っています。 なんかよくわかりません。 最後の方はぐじゃらぐじゃらな感じです。 「軽快なフットワーク」とは到底思えません。 「泥沼流」とでも言われた方がまだしっくりきます。 対する羽生さんのイメージはなんか「迷路の突き当たりを塗りつぶしているような将棋」。 もちろん勝負の世界なので、勝つことが第一目的なんですが、どうも羽生さんは「あ、こうするとどうなるんでしょうか」みたいな、勝ち負けよりも好奇心が上回っているような。 棋士は負けるとシンドイのですが、羽生さんは、負けてもたぶん、新しいことを知れたので、どこか満足している部分がありそうな。 ちょっとさかなくんタイプ?
もう小学生の将棋がプロ並みに見えているオレです。 プロの将棋も同じでしょう、というところですが、山崎将棋はさにあらず。 なんかね、もうね、見てると「あー、なんでそんなことしちゃうかなー」という気分にさせられます。 解説の棋士も、山崎将棋は解説し辛そう。 唐突な手を指すので、プロも困る感じ。 そんなことをやっていて、トップ12位に入れるのだから、大したものなのです。 ただ、トップはやっぱり王道な人が取るものなのです。 で、厄介なことに、さかなくん、じゃなかった、羽生さんはそんな突飛な将棋も得意なのです。 この日も例に漏れず、序盤早々「あー、何やってんだ、おまいわー!」みたいな展開に。 昔、NHKの将棋対局で山崎七段が出ていた際、解説の棋士が「山崎将棋はホームランか三振という感じが魅力」みたいな解説をされていたのを思い出しました。 オレはそのときも「えー!?」って思ったんですよね。 オレのイメージだと「ノーアウトなのにスリーバントスクイズ」というのが山崎将棋です。 最近だと「内野安打」や「振り逃げ」みたいなしぶとさも身についてきた感じがしますが。
短手数で終わってしまいました。 でも「あー、何やってんだ、おまいわー!」の手に問題があったわけじゃなく、その先で問題があったということで、途中までは割とバランスが取れていたようです。 本当に綱渡り。 しかし、羽生さんはしっかりと綱を渡りきります。 さかなくんみたいのはやっぱり厄介ですよ。 通常の棋士は「将棋で勝つ」のが好きなのに対して、羽生さんは「将棋」が好きなんですもの。 って、そんなことないのかも。 やっぱり羽生さんも「勝つ」のが好きなだけだったりして。 あくまでオレのイメージなんで。 ま、とにかく今年の日本シリーズは羽生さんの優勝で幕を閉じました。
羽生さんが出口で、お客さん一人一人と握手をしてお見送りをしてくれます。 くー、山崎七段にお見送りしてほしかったなー。 なので、オレは羽生さんのお見送りは通らずに出口へ。 羽生さんと握手でもよかったのですが、とてもそんな気にはなれませんでした。 理由はコレ。
というか、オレが侮ってたんですけどね。 なんじゃこりゃー、です。 もう一刻も早く上にのぼって写真を撮りたい気分になりました。 ちょっと切れちゃってますが、★印のところに羽生さんがいます。 で、体育館の周りをぐるーっと一周して、ロールケーキのように折り返して握手列の最後尾。 こんなもんに並べるか! 山崎七段だったら並んでたと思うけどな。 まぁ、AKB48も大変だと思いますが、羽生さんも大変だと思うわけです。 きっと翌日羽生さんは駒も持てないんじゃないでしょうか。 羽生さん本当にお疲れさまでした。 山崎七段もお疲れさまでした。 |
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